よくあるご質問
よくあるご質問(家族信託)
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父親はすでに認知症専門の介護施設に入所していますが、今からでも家族信託を利用することはできますか。
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医師が認知症の診断を下したとしても、その症状は人それぞれです。お父様と会話をしてみて、自分の氏名・住所・生年月日、保有する財産の概要、財産を託したい人、最終的に財産を承継したい人が口述できるようであれば、家族信託の利用を前向きに検討することは可能です。
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自宅を信託財産とした場合、自宅の所有権は、信託契約後、財産を託す人に移転するとのことですが、贈与税等の課税はありますか。
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信託契約後も、自宅に居住する権利は移転しないので、贈与税、不動産取得税は課税されません。ただし、所有権移転登記に伴う登録免許税(土地:評価額の0.3% 家屋:同0.4%)は課税されます。
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信託契約後、認知症になるまでは、本人が財産を管理したいが可能ですか。
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ご本人が認知症を発症したら財産管理を引き継ぐという条件を信託契約に明記することで対処可能です。
ただし、認知症発症がどの時点かを判断する尺度は人それぞれであることから、引き継ぎ時期を巡って両者でトラブルが起きるリスクがあるため、できれば信託契約時に財産管理の全てを受託者に移し、委託者本人は、受託者を後方から支援する体制の方がより望ましいでしょう。
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信託契約書は、公正証書で作成する必要がありますか?
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信託法上は、特別な定めはなく、方式や書式は自由で必ずしも公正証書で作成する必要はありません。しかしながら、私文書で作成した場合は、家族間で万一、信託財産などで紛争が生じた場合、契約当事者の意思判断能力に疑義が生じ、契約自体が無効となるリスクがあるので、公証人が契約当事者の意思を確認した上で作成する公正証書での契約がより安全といえます。また、金融機関で信託口口座を開設する、信託財産を担保に信託内融資を受ける場合は、公正証書でないと手続きができない金融機関が大勢を占めることから、公正証書の作成が望ましいでしょう。
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受託者には、家族でないと就任できないのですか
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信託法には、未成年者は就任できないと定められていますが、未成年者でなければ誰でも就任可能です。
ただし、委託者の死亡等により、受益権が受託者に移転し、受益者と受託者が同一人格となり、その状態が1年間続いた場合は、信託契約は1年経過時点で終了することとされています。
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受託者が死亡した場合、信託は終了してしまうのですか?
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受託者が個人の場合、信託に第二受託者の定めがあれば、その第二受託者が信託事務を担います。また、受託者が死亡した場合には信託は終了するとの定めがあれば、それに従います。信託に何も定めがなく、受託者死亡後、新たな受託者がいない状態が1年間続くと信託は終了してしまいます。
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信託契約後に信託財産を追加することは可能ですか。
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信託の目的に反しない財産の追加は、最初の契約に、契約期間中、財産の追加が行える文言を盛り込んでおけば追加可能です。ただし、例えば親御さんの身上介護や住居管理のみを目的と定めた信託に、賃貸アパートや投資信託などの目的外の財産は追加できません。
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年4回、国から支給を受ける年金を信託財産に組入れることはできますか
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信託財産に組入れることは可能ですが、年金は本人名義の銀行口座にしか入金手続きが取れないので、本人名義の口座に振り込まれた年金を信託のために開設した口座に定期的に送金する必要があります。なお、信託契約には、送金により信託財産が追加できる旨を定めておく必要があります。
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認知症になってしまった後に、信託契約で財産を託した子供に、財産の使い込みをされないか心配です・・・。
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受託者である子供が、親や兄弟に財産の管理状況(財産目録や毎月の収支等)を報告する家族会議を定期的に開催するしくみを整えておけば安心です。家族による定期的なチェックができないようなケースでは、第三者の士業の専門職等を信託監督人に選任し、財産の管理、監督をさせることで、財産の使い込みなどの不正を防ぐことができます。
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不動産の管理、処分を託した後に、意向に沿わない売却やリフォームをされないか心配です・・・。
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財産を託す方がお元気なうちは、売却やリフォームに事前の同意を必要とさせることが可能です。
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受託者は信託財産の管理をどのように行えば良いですか?
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信託帳簿を作成するとともに、毎年1回財産目録を作成し、原則として年1回受益者に報告しなければならないとされています。信託帳簿は、出入金を信託口座を介して行っていれば、預金通帳にその内容をメモしておくことで、その預金通帳を帳簿として代用可能です。財産目録は、信託契約時の財産目録を、金融資産の残高など変動のあった部分を修正すればよいので、それほど負担のかかるものではありません。
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事業承継において、オーナー経営者の認知症対策以外に家族信託を検討すべきケースはありますか?
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現在の自社株の株価が高く、株式の贈与や譲渡を避けたい場合や、現在オーナー経営者の家族間で分散した株式を集約したい場合、新事業承継税制の適用が難しい場合などが考えられます。
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家族信託と信託銀行が提供している信託との違いは何ですか?
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信託銀行が提供している信託は、主に投資信託という金融商品で、預かった資産を運用し、投資家に収益の分配を行うものです。一方、家族信託は、財産管理の一手法で、金融資産や不動産を信頼できる家族に託す仕組みのことをいい、信託銀行の信託とは似て非なるものとお考え下さい。
よくあるご質問(ペット信託)
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ペツト信託契約後、飼主の健康状態が良好で、飼主自身がペットを看取った場合はどうなりますか?
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信託契約書に、飼主がペットを看取った場合、信託契約は終了し、託した飼育費用を飼主に戻す旨を明記することで、託した飼育費を飼主に戻すことができます。
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一人暮らしで身寄りもないため、愛犬(猫)の行く末が心配ですが、ペット信託は可能でしょうか?
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ペットを託すご家族が身近におられない場合は、信頼のおける友人、知人を介して、民間の愛犬(猫)ホームや保護施設に飼育を託すという選択肢があります。行政書士等を信託監督人に選任しておけば、愛犬(猫)の飼育状況や信託財産の使い道を定期的にチェックし、不具合があれば、是正を促すので安心です。
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信託財産はどれくらい必要ですか?
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ペットの種類、サイズ、年齢にもよりますが、民間の愛犬(猫)ホームに託す場合は、施設利用料を確認し、信託財産として設定します。個人に託す場合は、契約時のペットの年齢、健康状態、ペット保険加入の有無、ペットフード(食費)、予防接種・ワクチン代に雑費、予備費を加えた費用を信託財産として設定します。